アンフィニMS-8 【1992,1993,1994,1995,1996,1997】

インパネシフトを採用した4ドアスペシャルティ

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全高を抑えたスタイリッシュなボディ

 クロノスをベースにしたパーソナルモデルであるMS-8。アンフィニ店の取り扱いモデルで、正式名称はアンフィニMS-8を名乗る。アンフィニ店にはフラッグシップセダンとして、センティアと兄弟になるMS-9、同じくクロノスベースの5ドアモデルのMS-6、スポーツカーのRX-7などをラインアップし、スポーツ性能と上質さを求めたモデルをラインアップしていた。そのなかでMS-8のポジショニングは、スペシャルティムードに満ちたアッパーミドルカーという位置づけ。それまでのペルソナの後継モデルとして登場した。

 ボディスタイルは4ドアハードトップ。サッシュレスドアを持ちながらBピラーを残したピラードハードトップの基本構造を持つ。Bピラーは細くデザインされ、エクステリアはクーペを連想させた。MS-8はスポーティーでアグレッシブな印象の持ち主だった。曲線を用いたフロントマスク、低く抑えた全高(1340mm)など、スタイリングはベース車のクロノスとは一線を画した意匠で、まさにスペシャルティなムードたっぷり。スリーサイズを比べてみると、全長4695mm×全幅1770mm×全高1400mmのクロノスに対し、MS-8は全長4695mm×全幅1750mm×全高1340mm。20mmスマートな全幅を持ち、60mmも低い全高を持つ。クロノス兄弟の一員のスポーツクーペ、MX-6の1310mmほど低くはないが、4ドアモデルとしては低い全高の持ち主だ。4ドアハードトップ=低い全高という方程式がそのまま当てはまるディメンションである。

インパネシフト&ウォークスルー

 インテリアにも、MS-8ならではのデザインを投入した。インテリアの造形美が個性となったペルソナの後継モデルらしい一面である。なかでも目を引くのは、シフトノブの配置だ。後のミニバンにはよく見られる手法だが、MS-8のシフトレバーは、インパネ上に設置されている。ちなみに、PやR、Dなど各ポジションへと操作するゲートは欧州車的なジグザグ形状だ。シフトレバーをインパネに設置することで、フロアには邪魔な突起なくなり、フロントシートはベンチタイプで、左右のウォークスルーを実現していた。

 そのほかインテリアでの注目ポイントは、前席のシートベルト。後席のドア内側から伸びたシートベルトはフロントシートのショルダー部分に設けられたガイドを通過し、腰元へと伸びている。スポーティーな印象を見る者に与えるBピラーの細さは、このシートベルトの取り付け方法によってもたらされていた。

回転フィールの滑らかなV6を搭載

 エンジンは、他の兄弟モデルと同じく、V6ユニットを搭載。MS-8には2リッターと2.5リッターが用意された。1995ccV型6気筒DOHC24VのKF-ZE型エンジンは、最高出力160ps/6500rpm、最大トルク18.3kg-m/5500rpm。2496ccV型6気筒DOHC24VのKL-ZE型エンジンは、最高出力200ps/6500rpm、最大トルク22.8kg-m/5500rpmを発揮した。ちなみにトランスミッションはインパネシフトということもあり全車が4速AT。マニュアルミッションの設定はなかった。駆動方式はFFである。

 デビューから半年あまり、アンフィニMS-8に加えられた機構に、ソーラーベンチレーションシステムがある。これは、サンルーフに太陽電池を埋め込み、その電力を使ってファンを駆動、換気を行うもの。炎天下の下、夏場などの室温上昇を低減でき、便利なアイテムとして注目された。また、換気をしないときはバッテリーへの充電を行った。アンフィニMS-8のほか、センティアやユーノス800にもこのシステムを採用。のちに3代目トヨタ プリウスでも似通ったシステムを取り入れている。