キャロル 【1995,1996,1997,1998】

エアバッグ標準装備。軽快イメージKカー



キャロルの伝統はデザインコンシャス

 キャロルは、マツダの歴史を彩る名車の1台。1962年に登場した初代モデル(通称クリフカット)は、4気筒360ccエンジンをリアに搭載。斬新なデザインでユーザーを魅了する。
 キャロルの名は一度、途絶えることになるが、1989年にオートザム キャロルとして復活。エンジンやシャシーなどは、スズキから供給を受けての誕生だった。円を多用したエクステリアデザインや、同じくラウンディッシュに仕立てられたインテリアなど、マツダ得意の個性的なデザインでまとめられていた。

 3代目は1995年にデビュー。2代目同様、スズキ・アルトとコンポーネントを共有しながら、丸目2灯のヘッドランプや軽快な印象のフォルムを採用。イタリアの名車、アウトビアンキA112を彷彿とさせるスタイリングが特徴となった。

3代目の造形はイタリアの名車を想起

 スリーサイズは全長3295mm×全幅1395mm×全高1420mm。先代に比較して5mm全長が長くなった。ヘッドライトに合わせてフロントフェンダーの上部が大きく盛り上がっている点が、イタリアの名車を思い起こさせる部分だ。リア回りは、わずかながらノッチスタイルに仕立てている。ボディー形状としてはリアゲートを持ったハッチバックとなる。

 インテリアは、実にシンプル。2つの球体形状のメーターナセルをドライバー正面に配置していた先代に対して、ひとつのメーターパネルに各計器を収納したオーソドックスなデザインへと変更している。後席のヘッドクリアランスは67mm拡大。先代に比較して4名の乗員が楽に座れるようになっていた。上級グレードにホールド性を高めたシートを投入。またフルピラートリムで上質感を高めた点も見逃せないポイントのひとつだった。

経済性に優れた実用エンジンが主力

 駆動方式はFFで、NAモデルには4WD仕様も用意。搭載エンジンは、657cc直列3気筒SOHC12Vで、キャブレター仕様は52ps、EPI仕様は55psのスペックを持つ。グレードによってこの2つのNAユニットを積み分けるのではなく、FFモデルの全車にキャブレターエンジンを搭載。4WDモデルでは、5速MTモデルにキャブレターエンジンを、3速ATモデルにEPIエンジンを搭載するというラインアップになっていた。スポーティーグレードのXRターボは、インタークーラーターボユニットになり、こちらは5速MT/3速ATともに64psのスペックを誇った。

 XRターボのエクステリアは、他グレードと異なり、ボンネット上にバルジを設置。リアスポイラーを標準装備していた。フォグランプも標準装備アイテム。そのほか155/65R13タイヤ(ポテンザ)やデュアルテールパイプでスポーティーなエクステリアに仕立てていた。インテリアではスポーティーモケットのシート地を採用していた。

エアバッグ標準。安全性能のアップに注力

 安全面では軽自動車では初めて、運転席エアバッグを全車に標準装備。一部グレードにABSをオプション設定した。リサイクルしやすいように素材そのものに着色を施したカラーマテリアルバンパーを採用するなど環境面でも進化を遂げたデビューとなった。
 キャロルは1962年に登場の初代、1989年に復活となった2代目、そしてこの3代目のいずれもが個性的なエクステリアを採用。デザインコンシャスな外観がキャロルの最大の魅力とも言える遷移を遂げてきた。なかでも3代目は「祝いの歌」という意味のネーミングに相応しい、魅力的なモデルに仕上がっていた。