ターセル 【1990,1991,1992,1993,1994】

上質さを携えたジャストサイズコンパクト

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3ドアと4ドアセダンをラインアップ

(本文1)
「1990年代のお洒落で若々しい生活への提案──高品位でジャストフィット感覚の2BOXとセダン」。それが、1990年9月に登場したL40系ターセル/コルサ/カローラIIのテーマだった。
 1978年8月に、トヨタ初のFFモデルとして登場したターセルとコルサ。1982年に登場の2代目までエンジンの縦置き搭載は踏襲され、カローラIIは2代目の時に兄弟に加わった。エンジン横置き搭載で登場した3代目のデビューから4年5カ月。4代目(L40系)がデビューを果たした。

 3兄弟の違いは、他の兄弟車や姉妹車同様、販売系列の違いにある。ターセルは初代がカローラ店とディーゼル店での扱いで、2代目からビスタ店での扱いとなっていた(コルサはトヨペット店、カローラIIはカローラ店)。ちなみにターセルという車名は、英語のハヤブサに由来。エンブレムもハサブサをモチーフにしてデザインされた。

ガソリン全車がハイメカツインカム&EFIを搭載

 4代目ターセルのラインアップは、セダンとハッチバック(3ドアのみ)を設定。3代目では3ドアと5ドアのハッチバックもラインアップしたターセルだったが、4代目では5ドアの代わりに新開発セダンを設定したのだ(3代目のセダンは2代目のリファイン版)。セダンのラインアップは、3種のガソリンエンジンと1種のディーゼルエンジンを搭載し、FFが9グレード、4WDが2グレード。ハッチバックも搭載エンジンはセダンと共通。だがグレードはやや少なくFFが6グレード、4WDが2グレードでデビューした。

 搭載したガソリンエンジンは、3種とも直列4気筒のDOHC16Vのハイメカツインカム。燃料噴射装置がすべてEFI化されたのは話題となった。筆頭は、1.5リッター(1496cc)直4DOHC16Vで、115ps/13.8kg-mを発揮する5E-FHE型。5E-FE型エンジンの高出力仕様である。次にパワフルなエンジンはその5E-FE型。同じく1.5リッター(1496cc)直4DOHC16Vで、105ps/12.9kg-mを発揮した(4WDは100ps/12.8kg-m)。もう1つのガソリンは、1.3リッター(1331cc)の直4DOHC16Vで、100ps/11.8kg-mだった。

3ドアとセダンで異なる外板

 全長はセダンが4110mm、ハッチバックが3930mm。全幅は先代より20mmワイドな1645mm。両ボディ共通スペックのホイールベースは2380mmで、これは3代目と同値である。エクステリアはアールを用いた張りのある面で構成され、ショートノーズのキャビンを重視したパッケージングとなっている。

 セダンと3ドアでフロントフェンダーやボンネットなどは共通で仕上げるのがオーソドックスな手法だが、ボンネットはプレスラインの入るセダンに対して、ハッチバックは3次元の曲面デザイン。しかも、平面の絞り込みは3ドアのほうが強い。フロントフェンダーは絞り込みの形状やサイドプロテクションモールの位置などが異なるため、こちらもセダンと3ドアで異なる外板を用意した。セダンと3ドアは100%異なるボディパネルを用いていたのだ。

 インテリアはクラスを超えた高い質感が魅力で、シートをはじめ、インパネなど各樹脂部分のクオリティは非常に優れたものとなっていた。とくに上級グレードに採用のラグジュアリーシートは、パッドと上皮を一体発泡にして優れた質感に仕上げている。4代目ターセルは、コンパクトカーに上質さを存分に取り入れたモデルとして、記憶に残る1台である。

質感のこだわりを内外装の細部まで徹底

 4代目ターセルの登場した1990年はバブル期のまっただ中、コンパクトカーの代表であるターセルおよびその兄弟にも上級モデル顔向けの豪華さが取り入れられた。バンパーは、エントリーグレードを含む全車にカラードタイプを採用。リアバンパーはスポイラー機能を備えた形状だ。そのほか、1000Rサイドウィンドウの採用、ボディパネル各部の隙き間の縮小、フラッシュサーフェス化の徹底などを実施している。その結果、クラスを超えた質感を持つエクステリアが出来上がった。

 サイドプロテクションモールも無塗装(ブラック)ではなく、上質感あふれる塗装仕上げが施され、3ドアではグレードや外板色によるが、グレーやセピアブラウンのカラードプロテクションモールが用いられた。セダンではエントリーグレードのVCを除くグレードでダークグレーのサイドプロテクションモールが装着された。