プレサージュ 【1998,1999,2000,2001,2002,2003,】

多彩なエンジン・ラインアップで人気を獲得



国産マーケットに合致したミニバン

 1998年6月、日産は新しいミニバンであるプレサージュを発売した。シートレイアウトは、3列シートの2名+3名+3名掛けで8人乗りが可能。シャシーはルネッサと共通で、ホイールベース2800㎜のもの。つまり、駆動方式はフロント横置きエンジンによる前2輪駆動(ビスカスカップリングを用いたフルタイム4輪駆動もある)で、これに1.5ボックスのワゴンボディを組み合わせていた。車名のプレサージュ(Presage)とは、予感とか前兆の意味するフランス語である。

オデッセイのライバルとして企画

 プレサージュは、1994年にデビューしたホンダ・オデッセイの爆発的な成功に刺激を受け、日産製のオデッセイとして企画されたモデルである。したがって車両キャラクターはオデッセイと非常に近い。ボディサイズはオデッセイよりは若干大きめとなって、全長は5㎜増しの4755㎜、全幅は同じで1770㎜、全高は75㎜増しの1720㎜だった。

 ライバルよりもわずかでも大きいほうが販売上で有利と考えたのだろうか? しかしながら、オデッセイ大人気の理由のひとつが、ミニバンとは言え全高を低く抑えて通常のセダンなどとほとんど変わらないドライビングポジションと乗員のシーティングを可能としていたことだった。一方のプレサージュでは、床面が高くなったことで必然的に全高が大きくなってしまい、結果的に今までのミニバンとそれほど変わるところがなかった。

ユーザーニーズを反映したエンジン設定

 サイドドアはスライド式ではなく、オデッセイと同じ通常のヒンジ式ドア(ほぼ直角に開く)となっていた。こうした個性のなさがデビュー当初、プレサージュの販売が伸び悩んだ理由であった。だが、プレサージュの強みは、搭載されるエンジンの多様性や装備の豪華さ、さらにデザイン的には日本のマーケットによりマッチしていたことも事実であった。多少の出遅れはあったものの、中型のミニバンとして、プレサージュは独自のマーケットを築き上げることに成功した。

 デビュー当初のモデルに搭載されるエンジンはガソリン仕様が排気量2984㏄のⅤ型6気筒DOHC24V(VQ30DE型、出力220ps/6400rpm)を筆頭に、2388㏄の直列4気筒DOHC16V(KA24DE型、150ps/5600rpm)、ディーゼル仕様は排気量2488㏄の直列4気筒DOHC16Vターボ(YD25DDTi型、150ps/4000rpm)の3種がラインアップされた。トランスミッションはコラムシフトの4速オートマチックのみの設定でマニュアル仕様はない。エンジンは、パワフル派からエコノミー派までが満足できる多彩なラインアップだった。

マルチリンク式リアサスを採用

 サスペンションは前がマクファーソンストラット/コイルスプリング、後ろがマルチリンク/コイルスプリング(4輪駆動仕様は横置きリーフスプリングによる独立懸架)、ブレーキはディスク(前)&ドラム(後)でサーボ機構を持つ。車重は2輪駆動仕様でも1550㎏、4輪駆動仕様では1810㎏にも達した。1999年11月には姉妹モデルであるバサラ(日本語の婆娑羅に由来する)がデビューしている。

 2003年7月にフルモデルチェンジされて2世代目となった。シャシーはFF-L型となり、床面を低くすることができた。また、後部サイドドアがスライドドアとなって利便性は大きく向上している。ディーゼルエンジン仕様はカタログから落とされている。

 オデッセイで不足していた部分を研究し、その欠点を埋める形で登場したプレサージュは、第2世代に至ってようやく個性を発揮できるようになったと言える。時代に即した装備と様々なスペシャルモデルを加えながら、2009年8月まで存続した。