R X 【2009,2010,2011,2012,2013,2014,2015】

高級&上質&先進を追求したワールドSUV

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レクサスRXデビューの衝撃と、功績

2009年1月に登場したレクサスRXは、日本では1stモデルだったが、ワールドワイドでは3rdモデルだった。これは当初レクサス・ブランドの展開が、アメリカを中心とする海外市場のみだった事に起因する。日本でレクサスの販売がスタートするまで、海外でレクサスを名乗ったモデルは、日本専用ネーミングで販売されていた。RXの場合、日本名は「ハリアー」だった。

 ワールドワイドに見て初代にあたるRXは、1997年に登場。RXは革新的なモデルだった。タフな走行性能とワイルドSUVルックスを持ちながら、上級サルーンの俊敏な走りと快適性、そして高級車の風格と装備を兼備していたからだ。RXは、“洗練”という言葉が似合うSUVのパイオニアだった。
 それまでSUVと言えば、オフロードモデル。1990年代後半は装備が充実したSUVが増えつつあったものの、走りはハード指向で、乗り心地はラフ。お世辞にも洗練されたクルマとは言えなかった。SUVの持つマルチパーパス性に憧れてはいても、一般のユーザー、とくに女性ユーザーが購入するのに最適なクルマは皆無だったのだ。それをRXは変えた。

 RXは乗用車カムリのメカニズムを上手に活用しながら、トヨタの高い技術力とマーケティング手法でSUVに見事にアレンジ。しかも高級車ブランド、レクサスの一員らしく、豊富な装備と上質な雰囲気を備えていた。RXは、「SUVの自由なイメージを持った、走りのいい高級クロスオーバー」という新ジャンルを創造する。そして瞬く間にマーケットの熱烈な支持を集め、レクサス・ブランドの販売主力モデルに成長した。メルセデス・ベンツやBMW、アウディ、ポルシェなど名だたるプレミアムブランドにも強い影響を与える。2000年代以降、高級クロスオーバーSUVが続々とデビューするきっかけを与えたのがRXだったのである。

21世紀のプレミアムカーを標榜。その内容

 RXの素晴らしい点は、当初の素晴らしいコンセプトを、時間の流れの中で磨き込み、モデルチェンジごとに明確に進化した点だった。2009年にデビューした3代目(日本では初代)は、「レクサスの“ときめき”と“やすらぎ”に満ちた最高の時間を提供とする理念のもと、環境・安全をはじめとする21世紀のプレミアムカーに求められる要件に高い次元で実現、高級セダンの乗り心地や快適性を兼ね備えた次世代のクロスオーバーである」とメーカーが広報資料で語る自信作。初代からのイメージを大切にした伸びやかで堂々としたフォルムの内側に先進のメカニズムを凝縮し、ライバルを大幅に凌駕する実力を身につけていた。

 当初のラインアップは、3456ccの2GR-FXE型V6DOHC24V(249ps)とモーター(前167ps/後68ps)を組み合わせたハイブリッド仕様の450hと、3456ccの2GR-FE型V6DOHC24V(280ps)を積む350の2シリーズ構成。駆動方式は450hが全車4WD。350はFFと4WDを設定していた。ちなみに450hのネーミングは、通常エンジン車の4.5ℓクラスと同等のパフォーマンスを発揮する事に由来する。450hのシステム最高出力は299ps。走行中のCO2排出量の少ない環境に優しいハイブリッド仕様ながら、圧倒的なパフォーマンスを披露する点が新しかった。燃費の面でも450hは世界をリードした。JC08モード燃費はクラストップの16.8km/ℓ。エコカーとしても高い実力の持ち主だった。

 安全性能もRXは先進性を主張する。独自の「統合安全コンセプト」に基づき、滑りやすい道でも安定して走れるVDIM(車両安定装置)を全車に標準化。衝突被害を軽減するプリクラッシュブレーキシステム(ミリ波レーダー式)や、乗員を包み込むように保護する最大10個のエアバッグなど、事故を未然に防ぐ工夫はもちろん、万が一、事故に遭遇しても被害を最小限に抑える配慮を満載していた。

走りはスポーティな味わい。2.7Lモデルも誕生

 上質かつスポーティな走りの面では、新開発のダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを奢り、ロードホールディング性能を一段と高めた点と、450hに採用した、コーナリング時にスタビライザー中央に配置したモーターの作動により、車両のロール角を適切に制御、俊敏な走行フィールとしなやかな乗り心地を提供する、電動アクティブスタビライザーがニュースだった。

 RXは2010年8月に2671ccの1AR-FE型・直4DOHC16V(188ps)を搭載したベースグレードの270をラインアップに加え、バリエーションを充実。一段と幅広いユーザーのニーズに応える体制を確立する。RXは高級SUVのベンチマークとして、世界中で高い評価を獲得した。それはレクサスの持つ、自由で豊かなライフスタイルをサポートするクルマ、というイメージを最も雄弁に表現していたからだったに違いない。

2012年、アクティブなFスポーツ仕様がデビュー!

 RXは、2012年4月にマイナーチェンジを実施。商品力を向上させる。改良ポイントはデザインの変更とバリエーションの充実。デザインは、フロントグリルをレクサスの共通モチーフとなる“スピンドル形状”でリデザイン。従来、やや大人しい印象が強かった造形を、存在感の強い印象に変更した。

 バリエーションはアクティブな走りが楽しめるFスポーツ・グレードを新設定。Fスポーツは、大型エアロバンパーや19㌅タイヤ、専用シート、パドルシフトを標準装備。専用チューニングの足回りとボディのたわみや微振動を吸収するパフォーマンスダンパーにより、従来以上に胸のすくパフォーマンスを実現した。Fスポーツはハイブリッド仕様の450hと、V6ユニットを搭載する350にラインアップされた。駆動方式は4WDで、価格は560万円から674万円だった。