歴代フェアレディ研究2 【1969〜】

世界で愛される”Z-CAR“の軌跡

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スポーツカー市場の勢力図を塗り替えた初代

 日産自動車の、そして国産スポーツカーのシンボル的な存在であるフェアレディZ(S30型)は、1969年10月開催の東京モーターショーで華々しくデビューする。最新のスポーツカーに必要な要件をフルに満たしたS30型は、L20型1998cc直列6気筒OHCエンジン(130ps)を搭載する標準仕様のZと充実装備のZ-L、そしてS20型1989cc直列6気筒DOHC24Vエンジン(160ps)を積むZ432という3グレード構成でスタートした。

 S30型のアメリカでの初公開は、1970年4月に開催されたニューヨーク・ショーだった。日本仕様には未設定のL24型2393cc直列6気筒OHCエンジンを搭載し、車名を「DATSUN 240Z」とした新スポーツカーは、たちまちアメリカ人の心を惹きつけ、販売台数を大いに伸ばす。 “Zカー”と呼ばれた240Zの大ヒットは、英国製が高いシェアを占めていた世界のスポーツカー市場に大きな変化をもたらした。1971年10月になると日本でもL24型エンジンを積むモデルが設定され、車名は「フェアレディ240Z」を名乗る。グレード展開は標準仕様の240Zと上級版の240Z-L、そしてエアロダイナノーズや、オーバーフェンダーなどの専用パーツを備えるフラッグシップ車の240ZGという3モデルをラインアップした。

欧州製スポーツカーと肩を並べた3代目

 1978年8月、2代目となるS130型系が発売される。キャッチコピーは“Z ZONE”。外装は、空力特性と洗練度のアップを図る。ボディタイプは2シーターと2by2を用意した。搭載エンジンについては、L20E型1998cc直列6気筒OHC(130ps)に加え、従来は北米仕様に採用していたL28E型2753cc直列6気筒OHC(145ps)を国内仕様にも設定する。また、2エンジンともに最新の日産排出ガス清浄化システムである“NAPS”を組み込み、排気ガス規制をクリアした。S130型系は、デビュー後も着実に進化を図っていく。1980年11月にはガラス製の脱着式ルーフを組み込んだ“Tバールーフ”を設定。1982年10月になると、ターボエンジン(L20ET型)をラインアップに加えた。

 3代目となるZ31型系は、1983年9月に市場デビューを果たす。ボディ形状は先代と同様に2シーターと2by2を用意。キャッチコピーには「較べることの無意味さを教えてあげよう」という刺激的な表現を掲げた。スタイリングは、エアロダイナミクスを徹底追求。世界初のパラレルライジングヘッドライトの装着や後端のダックテール化などを実施し、Cd値は0.31と当時の日本車の最高値を実現した。パワートレインにはフェアレディZとしては初めてV型6気筒エンジンを搭載し、さらに先進のターボチャージャー機構を組み合わせる。VG30ET型2960cc・V型6気筒OHCターボ(230ps)とVG20ET型1998cc・V型6気筒OHCターボ(170ps)を設定した。1984年8月になると、Tバールーフ仕様を設定。1985年10月には、RB20DET型1998cc直列6気筒DOHC24V+セラミックターボ(180ps)を積む200ZRグレードを追加する。1986年10月になると、大がかりなマイナーチェンジを実施。最大のトピックはスタイリングの変更で、米国のデザインスタジオNDIが手がけた丸みを帯びたフォルムは“エアログラマラスフォルム”と称した。

ハイテク技術を積極的に採用した第4世代

 4代目に当たるZ32型系は、1989年5月にアメリカでデビューし、その2カ月後に日本に投入される。車種展開は2シーターの標準タイプとTバータイプ、2by2のTバータイプをラインアップした。搭載エンジンは、VG30DE型2960cc・V型6気筒DOHC24V(230ps)と、これにツインターボ&インタークーラーを加えたVG30DETT型(280ps)を設定する。シャシー面では、4輪マルチリンクサスペンションに先進の後輪操舵システムである“スーパーHICAS”を装備(VG30DETT搭載車)。ボディに関しては新デュラスチール材やアルミ材を多用したうえで、キャビンフォワードにショート&タイトオーバーハング、コーンシェイプで車両デザインを構築した。

 バブル景気の波に乗り、デビュー当初のZ32型系は好調な販売成績を記録する。車種バリエーションも段階的に増え、1992年8月には2シーターオープンのコンバーチブルを追加した。

21世紀に入ってからも日産製スポーツカーとして進化

 ルノーとアライアンスを結んで新体制に移行した日産は、フェアレディZをいったんラインアップから外す。そして2002年7月になって、5代目となるZ33型系を市場に放った。基本骨格には新FRスポーツパッケージを採用し、エンジンは新世代V6ユニットであるVQ35DE(NEO)型3498cc・V型6気筒DOHC24Vを搭載。VTCやストレート吸気ダクトなどを備えた同ユニットは、280psの最高出力を発生した。また、VQ35DE型は2005年9月の一部改良でMT車の最高出力が294psにまでアップ。2007年1月になると、進化版のVQ35HR型(313ps)に換装された。車両デザインについては、ひと目でフェアレディZと分かる“Z-ness”を基本に、贅肉を削り空力特性や質感を高めた“Newness”“High Quakity”を導入する。2003年10月にはオープンモデルのロードスターを追加した。

 2008年12月になると、第6世代となるZ34型系が発売される。基本骨格についてはFR-Lプラットフォームをベースとしながら、軽量化とホイールベースの短縮をメインに各部の設計を大幅変更。搭載エンジンは既存のVQ35HR型に対して約35%の部品を新開発したVQ37VHR型3696cc・V型6気筒DOHC(336ps)を積み込む。エクステリアは、「アスリートの肉体のような有機的機械」の実現を目指して造形。2009年6月になると、NISMOが製作した「Version NISMO」が追加される。VQ37VHRエンジンは専用コンピューターなどの採用により、355psにまで出力アップ。また、専用エアロパーツやYAMAHA製パフォーマンスダンパーなども装備された。さらに2009年10月には、オープンモデルのロードスターを投入。電動式ソフトトップ機構には、収納時にすべてが覆い隠されるストレージリッドを内蔵していた。

 そして2020年9月、第7世代のプロトタイプを公表。新型はZのアイデンティティを生かしたスタイリングと、V6ツインターボエンジンを搭載。バランスに優れたFRレイアウトと6速MTのコンビで、新たなスポーツパフォーマンスを提示した。2021年のデビュー後は、再びZ-CAR神話を構築することは確実だ。