サファリ 【1987,1988,1989,1990,1991,1992,1993,1994,1995,1996,1997】

地球スケールの新世代の本格4WD



4輪コイルサスで走りを刷新!

 1987年10月に新型に移行したサファリは、ビッグスケールの4WDだった。開発コンセプトは“キング・オブ・アドベンチャー”。カタログには「地球全部が、走りの舞台です。」のコピーが踊る。サファリは日本市場以上に海外で評価の高い国際車(輸出名パトロール)だった、完成度の高さは本格4WDの新基準、オフロード性能を徹底的に鍛え上げただけでなく、オンロードでの走りも見つめ直した新型は、まさに無敵ともいえる存在感を発散した。
 ボディタイプはホイールベース2400mmのハードトップ(2ドア)と、ホイールベースが2970mmのエクストラバン(4ドア)の2種類で、最上級グレードのグランロードはハードトップ、エキストラバンともにオーバーフェンダーを装着した全幅1930mmの超ワイド仕様になっていた。

 サファリの走りに進化をもたらした要因のひとつは新開発サスペンションだった。本格4WDではいわば常識だった4輪リーフ・リジッド方式から脱却。フロントが3リンク式、リアが5リンク式のコイルばね式を採用したのだ。これによりサスペンションストロークの延長が可能になりロードホールディング能力が大幅に向上した、具体的にはストロークは40〜50mm増えていた。悪路での路面追従性が一段と向上しただけでなく、オンロードでの直進性、コーナリング時の安定性も大幅にリファインされ、高速道路でのクルージングも楽にこなせるようになった。カタログコピーどおり、地球全部が走りの舞台となったのである。ちなみにリアスタビライザーは任意に解除できる構造で、悪路走行時にはストロークをフルに生かせるようになっていた(フロントスタビライザーはオプション設定)。

パワフル&スムーズな6気筒ユニット

 エンジンも新世代化された。直列6気筒ディーゼルという点では共通だが、新型はテラノの流れを汲むTD42型。パワフル&サイレントを主眼に開発され、渦流室容積比の増大や、分配型燃料噴射ポンプ、縦型グロープラグを採用することで燃焼効率をリファイン。吸排気系のクロスフロー化やバルブ系、バルブリフト量の増大などで吸排気効率も高め、出力の大幅向上を果たしていた。TD42型の125ps/4000rpm、27.8kg・m/2000rpmのパワースペックはライバルを凌駕し、世界トップ級の実力を誇った。実際に走りのフィーリングも素晴らしく、6気筒らしい緻密な回転フィールと俊敏なレスポンス、そして豪放パワーが、大柄なボディを生き生きと走らせた。スポーティモデルと同様に“対話を楽しめるエンジン”といえた。旧来の本格4WDは、タフだが走りの歓びという面に欠けていた。しかしサファリはドライバーが走りに夢中になるクルマに変身していた。

 駆動方式はFR→4WD切り替え式の信頼性の高いセレクティブ方式。トランスファーにシンクロ機構を採用することで40km/h以下であれば走行中にFR→4WDの切り替えが可能だった。ブレーキも強化されている。前後ともにベンチレーテッドディスクに格上げされ、過酷な走行条件化でも安定した制動能力を見せつけた。

快適クルーズ装備を満載!

 走りの面で一挙に新世代化を図っただけでなく、装備面でも新世代化が図られていた。グランロードは傾斜計&高度計、15W×2アンプ内蔵4スピーカー・オーディオ、集中ドアロック、パワーウィンドー、フットレスト、イルミネーションコントロール、サンルーフなどがすべて標準装備。ヘッドランプは専用ワイパー付きのハロゲン仕様で、機械式ウインチ(牽引力1500kg)もスタンダードだった。スパルタンな4WDを見慣れた目には、サファリの豊富な装備群は実に新鮮だった。

 サファリは1991年2月には3ナンバーのワゴン仕様、同年10月にはTB42型ガソリン(175ps/32.6kg・m)仕様など、ラインアップを充実させながら進化し続け、本格4WDとして一時代を築いた。そのスケールの大きな走りの世界は、現在でもまったく色褪せていない。