ダットサン・ブルーバードU 2000GT 【1973,1974,1975,1976】

バーチカルマスクの本格高速ツアラー

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6気筒エンジン搭載GTの誕生

 ブルーバードUシリーズの人気挽回作の一つとして企画されたモデルが、2000GTおよび2000GTXであった。使われたエンジンはフェアレディZやセドリック、スカイライン2000GTなどにも搭載されていた排気量1998ccのL20型直列6気筒OHCで、グレードによって2種が使い分けられている。2000GTではシングルキャブレター仕様とされ、2000GTXではツインキャブレター仕様となる。出力とトルクは各シングルキャブレター版が115ps/5600rpm、16.5kg・m/3600rpm、ツインキャブレター版が125ps/6000rpm、17.5kg・m/4400rpmである。

 2000GTシリーズは、直列6気筒エンジンを搭載するに際して、ボディを大幅改造した。エンジンルームを拡大するために、ホイールベースを150mm、ノーズオーバーハング部分を55mmそれぞれ延長し、4気筒エンジン付きのモデルに比べて全長では205mmも長くしたのである。この延長に伴い、全幅も15mm拡大され、全高は逆に15mm低められている。ボディバリェーションは2ドアハードトップと4ドアセダンでいずれも乗車定員は5人である。

 スタイリングでは、ラジエターグリルのデザインが全く新しくなり、同じ時期のアメリカ車(特にGM系のポンテアックやオールズモビルなど)に似た2分割グリル(バーチカルグリル)と独立してトリミングされた4灯式ヘッドライトを装着した。
 オリジナルのブルーバードUから受け継がれたサイドウィンドウを囲むJラインはブルーバードUの個性を象徴するもので、比較的高い位置にあるウェストラインとも相まって、側面観では強いウェッジシェイプを強調。テールエンドのデザインはセダンもハードトップも基本的には同一だが、テールライトやガーニッシュのデザインは細かく変えられており、各々の個性を主張するものとなっていた。

熟成の4輪独立サスペンション採用

 トランスミッションは4速/5速のマニュアルと3速オートマチックの3種があり、セダンおよびハードトップのGT、GTXの各グレードで選ぶことができる。ただしGTXには4速マニュアルは設定されなかった。シフトの位置はフロアシフトのみとなっている。プロペラ・シャフトは3分割型となって、走行時の静粛性を向上させている。高級車志向の表れだ。駆動方式はフロント・エンジン、リア・ドライブの2輪駆動である。

 サスペンションはオリジナルである4気筒モデルと同じで、前がマクファーソン・ストラット/コイル・スプリング、後がセミトレーリングアーム/コイル・スプリングの組み合わせ。ブレーキはディスク/ドラムだがサーボ機構が全車種標準装備。タイヤは6.45S‐14サイズ。車両重量はセダン2000GTの1125kgから、ハードトップ2000GTXの1150㎏までと軽量に仕上がっている。最高速度はGTで170km/h、GTXでは180km/hが可能。実用上は十分な性能である。価格は4速マニュアル・トランスミッション付きセダン2000GTの87万3500円から、3速オートマチック付きハードトップ2000GTXの106万3500円までがあった。

クリーン性能を磨いて進化。最終仕様は3種のエンジン設定

 ブルーバードU2000GTが登場した1973年は、世界的に公害対策強化が叫ばれはじめた時代だった。2000GTシリーズは登場時から燃料蒸発ガス排出防止装置や排出ガス対策型キャブレター、CO、HCの発生を抑制する自動温度調節エアクリーナーなどを全車に採用。使用ガソリンもレギュラー指定とすることで時代が求めるクリーン性能を積極的に実現していた。

 さらに1975~1977年にかけて昭和50年~51年排出ガス規制ユニットを次々に搭載。最終的にはGT用L20型キャブレター仕様(昭和50年規制対応・115pa/16.5kg・m)、GTX-E(AT仕様)用L20E型インジェクション仕様(昭和50年規制対応・130ps/17kg・m)、GT-E>X-E(5MT仕様)用L20E型インジェクション仕様(昭和51年規制対応・130ps/17kg・m)の3種のパワーユニットを準備した。全ユニットとも6気筒ならではのスムーズさと静粛性が魅力で、とくにインジェクション仕様はスポーティな走りという面でも侮れない実力を発揮した。ただし公害対策初期ユニット特有の回転落ちの悪さは、一部のユーザーから不評を買った。