トヨペット・コロナ・ハードトップ1900SL 【1970,1971,1972,1973】

HTに蘇ったスポーティな走り

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人気モデルとなったアローラインの
後を受けてデビューした4代目コロナ。
1.5リッター、そして1.6リッターエンジンを
4ドアセダンのボディーに搭載して登場した。
そのデビューから半年、コロナにとって2世代目となる
ハードトップ(HT)モデルが誕生。
このHTのトップモデルが、スポーティな1900SLである。
進化したハードトップ

 1971年3月、前年の8月にコロナに復活した2ドアハードトップ(RT91/94系)に、1900ccエンジン搭載モデルが登場した。

 そもそもトヨタにとってのハードトップというスタイルは、1965年7月にコロナ(RT40系)のバリエーションモデルとして国産車としては初めてとなる2ドアハードトップ(RT50/51)が誕生したことに始まる。4ドアセダンをベースに2ドア化し、センターピラーを取りさることで側面観をすっきりさせ、スポーティさを強調したのである。座席は4人分揃えられていたが、実質的には2+2となっていた。日本の乗用車もようやく法人やタクシー用としてのポジションを脱し、純粋にパーソナルユースとしての地位を確立しつつあった頃であった。

その後、本家のトヨタ・クラウンやマークIIにもハードトップが登場し、他社も相次いでスポーティモデルの典型的なスタイルとして多くの車種が登場する。ハードトップはパーソナルカーの象徴的な存在となって、特に若い人たちを中心に大きな人気を博すことになる。

スポーティなSLをラインアップ

「コロナ・ハードトップ1900」は、コロナシリーズのハードトップとしては2代目となるモデルで、RT80/90系のバリエーションモデルと位置付けられていた。

 カリーナや日産ブルーバードUなどとほぼ等しいボディサイズ、そしてファストバックスタイルを持つ2ドアクーペのボディは、ハードトップの他のグレードと同様。後部座席のスペースを十分なものとするために、ルーフ後部はかなり後まで延ばされ、リアのクウォーターウインドウは独特の形とされていた。ウエストラインが比較的高いのも、ルーフの高さとバランスを採るためである。

インテリアもインスツルメントパネルを木目張りにし、シフトレバーもセンターコンソール上に移すなど豪華装備を満載している。後席折り畳み機構も装備された。1900ハードトップには標準仕様のほか、エンジンをパワーアップしたスポーティなSLの2種があった。

■SUツインキャブで武装

 スポーティモデルの「1900SL」に搭載されるエンジンは、コロナ・マークII用の8R-B型直列4気筒SOHCの排気量1858ccで、SU型キャブレターを2基装備するなどで、最高出力は115ps/6000rpm、最大トルクは15.5kg-m/4000rpmを発揮する。車重が985kgだから、性能は十分以上で、最高速度は180km/hが可能となっている。

トランスミッションは、4速MTのほかにトヨタの独自開発による電子制御式の3速トヨグライドも用意された。ブレーキはフロントがディスクブレーキで、安全性を向上させている。価格は4速MT装備の1900SLが81万4000円、トヨグライド付きが89万9000円だった。

 クラウンとセリカ/カリーナの中間に位置するモデルとして、コロナは決して派手ではなかったが、独特の存在感を示していたが、セリカやカリーナの登場で、性能的にもいささか影が薄くなってしまったのは時代の流れといえるだろう。

COLUMN
4代目コロナ最速の「2000SR」
3代目コロナのハードトップをベースに作り上げたトヨタ1600GT。その後、DOHCユニットはマークIIシリーズには設定されたが、4代目コロナでは消えてしまった。しかし、そのスポーティな個性はハードトップ1900SLへと受け継がれた。そして、4代目コロナは1972年8月に再びのマイナーチェンジを受けた際、トップグレードの2000SRをデビューさせる。1900ccユニットを2000ccに格上げし、EFI付きユニット(18R-B)を搭載した4代目きってのスプリンターである。120psのパワーと5速ミッション、そしてLSDを持ち、トップスピード190km/h、0→400m加速16.7秒をマークした。ちなみに、コロナのDOHC復活は、翌年の5代目デビューの時。ハードトップ2000GTとして蘇っている。