ハイラックス・サーフ 【1989,1990,1991,1992,1993,1994,1995】

遊びの王様!スタイリッシュでタフなSUVリーダー



山でなく海をイメージさせた自由なSUV

 アメリカ西海岸から上陸したSUV(スポーツユーティリティビークル)ムーブメントにいち早く対応し、日本でも大成功を収めたモデルがハイラックス・サーフだ。とくに今回の主役である1989年5月に登場した2代目は、若い世代の注目を一身に集め“若者グルマ”の地位をセリカから奪った。

 SUVは、ピックアップ型の4WDモデルをベースにしたマルチワゴンである。パジェロやランドクルーザーなどのJeep派生の従来型4WDと同様にタフでワイルドなことがセールスポイントだが、いままでにないスタイリッシュな存在だった。従来型4WDを“山の4WD”とすれば、SUVは“海の4WD”。アメリカ西海岸の自由さを表現した4WDだった。

 1984年5月に登場した初代のハイラックス・サーフはSUVの概念そのままのクルマだった。すなわちハイラックス4WDピックアップの荷台部分にFRP製シェルフを被せ、簡易型ワゴンに仕上げていた。ピックアップベースのため2ドアで、FRP製シェルフ部分のカラーリングがボディ色と異なるなど、いわばメーカー版ドレスアップ仕様というムードだったが、その非日常性がユーザーを刺激した。当初は商用車登録の4ナンバーモデルだけでスタートしたサーフは、ユーザーニーズの高まりに対応して5ナンバーのワゴンモデルを追加。経済的でパワフルなディーゼルターボ仕様も設定するなどラインアップを充実させた。

2代目は便利でハンサムな4ドアが登場

 1989年5月モデルチェンジした2代目は、限られたユーザーのためのクルマから、幅広いユーザーにアピールするRVのメジャーモデルへと方向転換を図った。シャシー回りやフロント回りこそピックアップのハイラックスと共用していたが、ボディはフルスチールの一体構造となり、利便性に優れた4ドアが登場する。豪華で快適性を増した室内はピックアップ派生を意識させないものとなっていた。

 ラインアップは乗用車登録のワゴンと、商用車のバンの2本立てで、ワゴンには4ドアと2ドアの2種類のボディを設定。グレードもそれぞれ上級版のSSRリミテッドと、充実装備のSSRから選べた。バンは4ドアのSRグレードの1種となっており、販売の主力はあくまでワゴンだった。

 エンジンもワゴンとバンでは異なっていた。ワゴンには1998ccの3Y-E型・直4OHVガソリン(97ps/16.3kg・m)と、2446ccの2L-T型・直4OHCディーゼルターボ(94ps/22.0kg・m)を設定し、一方バンは2779ccの自然吸気3L型直4OHCディーゼル(91ps/19.2kg・m)を用意した。この3ユニットは最高出力こそ拮抗していたが、キャラクターは3者3様だった。経済性とトルクの太さで最も魅力的だったのが2L-T型ディーゼルターボ。一方3Y-E型は静粛性と滑らかなフィーリングが持ち味で、3L型は低速域のねばり強さが光った。

 駆動方式は全車セレクティブ型4WDシステムを標準装備とし、走行中でもFR→4WD切り替えが可能なADD(オートマチック・ディスコネクティング・デファレンシャル)を組み込んでいた。トランスミッションは全車ハイ&ローの2段切り替え機構付きとなり5速マニュアルを全車に設定。電子制御4速オートマチックはガソリン車のみで選べた。

ワイルドなオプション群をラインアップ

 アクティブな遊びの相棒となるハイラックス・サーフだけにオプションも多彩だった。ヘビデューティー指向からファンション指向までさまざまなニーズに応えるアイテムが揃っていたが、4WDらしいタフさを表現したいユーザーに人気だったのが、グリルガードやフロントアンダープロテクター、そして電動ウインチ。電動ウインチはスタックしたクルマをレスキューする場合に威力を発揮するアイテムで、実際に使用するケースは稀だったが、装着するとワイルドさが一層際立った。

 都会派はボディサイドのストライプやサイドバイザーが人気を博した。他人とはひと味違うクルマに乗りたいというこだわりのユーザーが多かったため、足元を社外品のアルミホイール&ワイドタイヤに交換するケースも目立った。スタイリッシュなハイラックス・サーフは、ドレスUPを楽しむにも格好の素材だった。

積極的な改良が好調な販売をサポート!

 2代目サーフはデビュー当初から販売目標の1700台を大幅に上回る好調な販売セールスを記録する。販売台数はラインアップの充実が図られるごとにさらに増加した。1990年8月には輸出仕様と共通の2958ccの3VZ-E型V6OHCガソリン(150ps)を追加。同時に、主力のディーゼルターボを電子制御化した2K-TE型(97ps)へとリファインし、ディーゼルターボ仕様にも待望のオートマチックが選べるようになる。
 1991年8月にはオーバーフェンダーを装備したワイド仕様のSSR-Gグレードを新設。1993年8月になるとディーゼルターボを新開発の2982ccの1KZ-TE型(130ps)に載せ替え、一段と力強い走りが満喫できるようになった。

 2代目サーフはアクティブなライフスタイルを支えるSUVの代表として一時代を築いた。最盛期には月間販売台数は1万台に届くほどだった。スタイリッシュなスタイリングとタフなメカニズムを持ち、走れば快適という絶妙なキャラクターが高い商品性を作り出したのである。