クレスタ 【1984,1985,1986,1987,1988】

高級パーソナルカーに成長した2代目



2代目はキャラクターを鮮明化

 トヨタ自動車の定番ミディアムサルーンとして、ユーザーから高い支持を獲得していた1980年代初頭のマークII/チェイサー/クレスタの3兄弟。開発陣はフルモデルチェンジに向けて、3兄弟の新たな車両コンセプトを練り上げていく。最終的に達した結論は、「既存モデル以上に各車のキャラクターを鮮明にする」ことだった。マークIIは居住性を重視したハイオーナーカーに、チェイサーはスポーティ指向のサルーンに、そしてクレスタは高級パーソナルセダンに仕立てる旨を決定した。

 クレスタの高級化に際して、スタイリングに全力を注いだ。ボディタイプは4ドアセダンに統一(マークIIは4ドアセダン/4ドアハードトップ、チェイサーは4ドアハードトップを採用)。その上で、薄くシャープなフロントエンドと立体的に配置された角型4灯ヘッドランプ、各部のフラッシュサーフェス化、専用デザインのリアコンビネーションランプを装着し、クレスタならではの存在感を強調した。また、4ドアセダンのボディはオーソドックスな4ライトを採用し、引き締まった高級パーソナルセダンらしいシンプルで端正なルックスに仕上げる。

上質な室内。メカは先進技術を積極投入

 インテリアに関しては、フロア部およびダッシュボードまわりに新開発のサンドイッチ制振パネルを採用して静粛性を引き上げる。同時にスーパーラグジュアリーシートや左右調整式のリアヘッドレスト、使用頻度の高い機構をステアリング付近に配置したサテライトスイッチ、メモリー付きのチルトステアリング、手元を暖めるクイック・ハンドウォーマー、日時/燃料消費量/平均速度といった情報を表示するスーパーモニタリングディスプレーなどを装着して快適性と利便性を高める。また、ホイールベースの延長やフロアの低床化などによって居住空間自体も従来モデルより拡大させた。

 新設計のシャシーには、最新のエレクトロニクス技術をふんだんに盛り込む。サスペンションには電子制御可変ショックアブソーバーのTEMSを採用。挙動安定性を高める四輪ESC(エレクトロニックスキッドコントロール)やアシスト量を変化させる2モード・プログレッシブ・パワーステアリングも開発する。

 搭載エンジンは1気筒当たり4バルブの1G-GEU型1988cc直6DOHC24V(160ps/18.5kg・m)を筆頭に、M-TEU型1988cc直6OHCターボ(145ps/21.5kg・m)や1G-EU型1988cc直6OHC(130ps/17.5kg・m)、1S-U型1832cc直4OHC(100ps/15.5kg・m)、2L-T型2446cc直4OHCディーゼルターボ(96ps/19.5kg・m)、2L型2446cc直4OHCディーゼル(83ps/17.0kg・m)という計6機種を設定した。

キャッチは「トヨタの最高級パーソナルセダン」

 2代目となるX70型系クレスタは、新型マークII/チェイサーとともに1984年8月に市場デビューを果たす。キャッチフレーズは、「トヨタの最高級パーソナルセダン」。車種展開は1G-GEU型エンジン搭載のスーパールーセント・ツインカム24を最上位に、M-TEU型/1G-EU型を積むスーパールーセント、1G-EU型を積むスーパーデラックス、1S-U型/2L-T型/2L型を採用するスーパーカスタムという計7グレードをラインアップした。
 俳優の山崎努さんをイメージキャラクターに据え、高級感と走りの良さを強調した2代目クレスタは、当時流行の兆しを見せつつあったハイソカー・ブームの波に乗り、メーカーが予想した以上の販売台数の伸びを記録する。とくに高い評価を受けたのが端正なスタイリングで、当時の販売スタッフによると「同じ4ドアセダンながら、6ライトウィンドウのマークIIより、シンプルなルックスのクレスタのほうがユーザーからのウケがよかった」そうだ。

高級感に一層の磨きをかけて−−

 好調なセールスを維持しようと、トヨタの開発陣はデビュー後も2代目クレスタの高級感に磨きをかけていく。
 1985年4月にはスーパーデラックスおよびスーパーカスタムのバンパーをカラード化。同時に、充実装備の限定車、“エクシード”を発売する。同年10月には1G-GTEU型1988cc直6DOHC24Vツインターボ(185ps/24.0kg・m)の強力エンジンを搭載した“GTツインターボ”がラインアップに加わった。

 1986年8月になると、「彫り深き気品」というキャッチを冠した内外装をメインとするマイナーチェンジが実施される。面一になった異形4灯式ヘッドランプやフォグランプ組み込み型バンパーの装着、内装地の見直し、装備アイテムの充実など、高級セダンとしてのキャラクターにさらに磨きがかけられた。
 マークII兄弟のなかの“高級パーソナルセダン”という位置づけを鮮明に打ち出し、ヒット作となった2代目クレスタ。この戦略に自信を深めたトヨタは、1988年8月にデビューする次期型モデル(X81型系)でもクレスタの高級路線を踏襲していく。