スカイラインGT-R(R34) 【1999,2000,2001,2002】

スカイラインの名を冠した最後のGT-R

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徹底したチューンで優れた性能を実現

 日本を代表する高性能GTとなったスカイラインGT-Rは、1999年1月に発売されたBNR34型(通称アール サンヨン)で第5世代を迎えることになった。ここで言う第5世代とは、初めてGT-Rを名乗って1969年2月に登場したPGC-10型(ハコスカGT-R)から数えて5番目のモデルということ。スカイラインGT-Rとしては記念碑的なモデルでもある。車名のスカイラインとは、連なった山岳の稜線のことであり、GT-Rは長距離旅行用車を意味するグランツーリスモとレーシングのイニシャルである。

 1999年の東京オートサロンで正式発表されたR34GT-Rは、前年の1998年5月にデビューした標準仕様のR34型スカイラインをベースとし、高性能車としての徹底したチューニングを施したモデル。先代のR33型に比較して、ホイールベースを2665㎜へと55㎜、全長を4600㎜へ75㎜それぞれ短縮。前後のトレッドの拡大に伴い全幅は、ベースとなったR34標準仕様と比べ60mm拡大の1785㎜のスペックとなった。ボディースタイルも変更され、ラジエターグリルやヘッドライトに始まり、幅広タイヤをカバーするための前後ブリスターフェンダーの装着、大型化されたテールスポイラーやエアダムスカートにサイドスカートを含む空力デバイスの追加などで、高性能車としての迫力は大きく増している。徹底した設計変更を加えており、標準仕様とはほとんど別個のモデルと言えるものとなっていた。

RB26DETT型ユニットを踏襲

 大人4名乗車が可能なインテリアは、センターコンソールを中心としてデザインは一新され、ナビゲーションシステムのほかに、油圧、水温、ターボチャージャーのブースト圧など各種の表示を切り替えられるマルチファンクションディスプレイが装備された。速度計とエンジン回転計はGT-Rの長い伝統にのっとり、円形メーターによるアナログ表示となっている。

 駆動方式は、フロント縦置きエンジンによる4輪駆動で、2輪駆動仕様は存在しない。搭載されるエンジンは1種類で排気量2568㏄の直列6気筒DOHC24Vに2基のインタークーラー付きターボチャージャーを持つ(RB26DETT型、出力280ps/6800rpm)となっているが、出力に関しては当時自動車メーカー各社間で暗黙の内に了解されていた出力表示規制に従ったもので、実力ははるかに高いものであったことは言うまでもない。ちなみに、最大トルクは40.0㎏-m/4400rpmと発表されていた。トランスミッションは6速マニュアルのみでオートマチックの設定はない。

専用の足回りを採用し、走りを極めた

 サスペンションはスーパーHAICASを搭載した4輪マルチリンク方式。ブレーキは4輪ともサーボ機構付きベンチレーテッドディスクで、ブレンボ社製の特製仕様が使われていた。タイヤは245/40R18を標準装備する。価格はトップグレードのVスペックで559万8000円となっていた。性能の高さやGT-Rの名が持つステイタス性を考えれば、十分に納得できる価格であった。スーパー耐久レースやニュルブルクリング24時間耐久レースに参戦するなど、内外のモータースポーツでの活躍も多彩で、日本を代表する高性能車となった。日産では、第6世代のGT-Rにスカイラインの名を付けなかったため、このR34型が最後のスカイラインGT-R。数あるGT-Rの中でも、記憶される名車である。

R32〜R34型の3世代のGT-Rをスペックで比較

 R32型で復活を遂げたGT-R。2.6リッター直6DOHC24Vツインターボ、アテーサ4WDシステム、スーパーハイキャスなどの基本メカニズムはR34型GT-Rまで受け継がれた。最高出力は3代とも共通する280ps/6800rpmで、発生回転数も同値だ。上限値いっぱいのパワースペックであるが、当然、進化を重ねている。最大トルクは、R32型が36.0kg-m/4400rpm、R33型が37.5kg-m/4400rpmで、R34型では40.0kg-m/4000rpmまで引き上げられた。

 タイヤサイズは、R32型が225/50R16、R33型が245/45R17で、R34型では245/40R18となり、1インチずつインチアップを果たしている。全長とホイールベースは、R32型が全長4545mm/ホイールベース2615mm、R33型が4675mm/2720mm、R34型が4600mm/2665mmで、ボディーについてはコンパクトなR32型、肥大化したR33型、小型化で原点回帰を図ったR34型といった形となった。