ブルーバード・シルフィ 【2000,2001,2002,2003,2004,2005】

クリーンでオーソドックスな保守的セダン

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青い鳥から生まれた妖精

 ブルーバード・シルフィは、ニッサンの伝統的な車名であるブルーバードの名を持った第11世代目のモデルとして、2000年8月にデビューした。シルフィというサブネームを加えることで新鮮味を持たせた。ちなみにシルフィ(SYLPHY)とは、英語で風の妖精を意味するシルフ(Shilph)を用いた造語である。

 基本的なシャシーコンポーネンツは、同じ時期のサニー系から流用されていた。従って2535㎜のホイールベースはサニーに等しい。サスペンションなども前ストラット/コイルスプリング、後ろマルチリンクビーム/コイルスプリングの組み合わせとなる。ボディーサイズは、全長4470×全幅1695×全高1445㎜となっており、いわゆる5ナンバーサイズに収まっていた。ボディバリエーションはノッチバックの5人乗り4ドアセダンのみの設定であり、前2輪駆動と4輪駆動仕様があった。

エンジンは3種。トランスミッションも3種設定

 フロントに横置きで搭載されるエンジンは3種で、すべて直列4気筒DOHCとなっている。排気量1497㏄(QG15DE型、出力105ps/6000rpm)、排気量1769㏄(QG18DE型、出力120ps/5600rpm)、そして排気量1998㏄(QR20DD型、出力150ps/6000rpm)があり、4輪駆動仕様には1769ccエンジンが搭載される。QG系エンジンの大きな特徴は、排気ガスのクリーンなことで、1798ccエンジンはアメリカのカリフォルニア州の排気ガス規制のレベルでは電気自動車並みと評価されており、同じ時期に登場したハイブリッドシステムを搭載したクルマよりも排気ガス浄化の性能は良かったと言われていた。日本車のガソリンエンジン搭載モデルとして初めてU-LEV(ULTRA LOW EMISSION Vhicle=超低排出ガス車両)の認定を取得したクルマでもあった。

 トランスミッションはハイパーCVT、電子制御4速オートマチック、5速マニュアルの3種が用意される。サスペンションは2輪駆動仕様と4輪駆動仕様では異なっており、2輪駆動は前がストラット/コイルスプリング、後がマルチリンク/コイルスプリングだが、4輪駆動では後がパラレルリンクストラット/コイルスプリングの組み合わせとなっていた。足回りの設定はソフトな乗り心地重視タイプで、ブレーキは前ベンチレーテッドディスク、後ろドラムの組み合わせである。

国際モデルとしてアクのない外観に

 ボディスタイルは、きわめて平凡かつコンサバティブ(保守的)なもの。取り立てて新しさはないが、万人向けのスタイリングと言える。室内のデザインも上質感を優先させた常識的な造形だが、セダンとしての使い勝手は優れたものであった。しかし、サニー系をベースとしたために、車格からすると室内空間の狭さは致命的とも言えるもので、ライバルであったトヨタ ・プレミオやアリオン、三菱ギャランなどに比べても見劣りがする結果となった。

 日本国内での販売は残念ながら低迷。その一方で海外市場では比較的好評で、中国では「サニー陽光」、タイでは「サニー・ネオ」、韓国では当時のルノーサムスン自動車が「SM3」の名で販売していた。
 2005年12月にフルモデルチェンジされて第二世代へ移行する。