ギャラン 【1992,1993,1994,19951996】

3ナンバー&V6エンジンの上級サルーンに進化

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7代目は大型化したボディが特徴

 1992年5月、三菱ギャランは第7世代へとフルモデルチェンジされた。1969年12月に発売された最初のギャランでは、軽量なボディーにパワフルなエンジンを組み合わせ、実用的な5人乗りセダンの水準を超えた高性能を大きな特徴としていた。生まれながらにスポーティーなクルマだったわけである。車名のギャラン(Galant)とは、フランス語で「勇気のある」とか「華麗な」などの意味をもつ。

 7世代目となったギャランは、ミドルクラスの5人乗り4ドアセダンとして、主に居住性と走行安定性の向上が図られている。ボディーサイズをホイールベースで35㎜、全長で50㎜、全幅で35㎜それぞれ拡大し、全高では逆に30㎜低くしている。スタイリングは四方の角が丸味を帯びたものとなり、ドライバーの視認性を高めることで、取り回し性能を向上させた。フロントグリルは2分割型で変形ヘッドライトの形と相まって、タカやワシなどの猛禽類をイメージさせるものとなった。寸法的にも全車3ナンバーサイズとなっている。外観からはメッキのオーナメント類が消え、精悍な感じとなっていた。

豊富なエンジンバリエーション

 駆動方式はフロント横置きエンジンによる前2輪駆動が主体だが、これも三菱のお家芸でもあるVCU(ビスカスカップリング)を用いた4輪駆動仕様も設定されていた。搭載されるエンジンは多彩で、V型6気筒が排気量の違いなどで4種類、直列4気筒がディーゼル仕様を含めて2種類が揃えられた。

 トップグレードであるギャランV6ターボVR-4では、排気量1998㏄のV型6気筒DOHC24Vにインタークーラー付きターボチャージャーを2基装備(6A12型、出力240ps/6000rpm)していた。同じく1998㏄の自然吸気仕様、Ⅴ型6気筒DOHC(6A12型、出力170ps/7000rpm)や排気量1834㏄の直列4気筒SOHC(4G93型、出力110ps/6000rpm)、さらに排気量1998㏄の直列4気筒SOHCターボチャージャー付きディーゼル(4D68型、出力94ps/4500rpm)などもあった。

4輪マルチリンクサスを採用

 トランスミッションはファジー制御を採り入れた4速オートマチックと5速マニュアルがあった。2リッターV6エンジン車のオートマチックトランスミッションにはホールドモードが装備されていた。サスペンションは前後ともマルチリンク/コイルスプリングとなったが、4輪駆動システムに対応したものである。また、一部車種には路面状況を検知してエアスプリングとショックアブソーバーの減衰力を変えるアクティブレビューECSと呼ばれる新機構がオプション設定されていた。4輪操舵システムもVR-4などに標準搭載した。まさしく、三菱が持つ自動車新技術のショーウィンドウの観がある。

 1994年8月に、レジャー指向の高まりを反映して、ハッチゲートを装備したギャランスポーツシリーズに加わった。欧州向けには存在していた5ドア仕様を国内販売向けにルーフレールやリアスポイラーを装備するなど多少の改良と装備を加えたモデルだったが、ワゴンモデルの代替とはならず、売行きは伸び悩んだ。
 技術的には見るべき部分の多かった1990年代のギャランだったが、ボディの大型化やスタイルの変更は必ずしも人気の高まりには至らず販売面では低調。1996年8月にフルモデルチェンジされて第8世代へと移行した。