ステップWGN 【2005,2006,2007,2008,2009】

“FUN-derful Mover”をコンセプトに開発された第3世代

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次世代のユーティリティ価値を目指して−−

 多人数乗り車のミニバンが、販売シェアを伸ばしていた2000年代前半の日本の自動車市場。ホンダがリリースする5ナンバーサイズミニバンのステップワゴンは、同社の屋台骨を支える重要モデルのひとつに成長していた。3代目となる次期型も、クラスをリードする1台に仕立てなければならない−−。強い決意を持った開発陣は、3代目の企画に鋭意勤しんだ。

 新型5ナンバーサイズミニバンの開発コンセプトには、「使って、過ごして、走って楽しい“FUN-derful Mover”」を掲げる。具体的には、ミニバンの空間のゆとりとセダンの走りの質を高い次元で併せ持つという、次世代のユーティリティ価値をミニバンにおいて具現化することを目指した。

乗用ミニバン初のフローリングフロアを設定

 ミニバンの基本となるパッケージングに関しては、独自の低床・低重心の専用プラットフォームを新開発する。従来型と同等の1350mmの室内高を確保しながら、ボディ高は75mm低減。同時にエンジンルームのコンパクト化などによりさらなるショートノーズ化を図り、従来型と同等の室内長2800mmを維持しながらボディ長を45mm短縮した。ホイールベースは従来型比で50mmほど延長する。2列席目の床面地上高はクラストップレベルの低さ390mmを実現。ステップに段差をつけないワンステップフロアを導入した。さらにフロア自体には乗用ミニバン初のフローリングフロアを設定する。

 開発陣は3列式シートのアレンジにも徹底してこだわる。快適に座れるシート本来の機能を高めながら、2列目シートにはワンアクションで折り畳めるタンブルシートを装備。さらに、回転機能付6対4分割チップアップ&スライドシートも用意する。3列目シートは軽量化を図ることで、格納時の扱いやすさを向上させた。
 インテリア自体のデザインについては、居心地のいいリビングルームのくつろぎ感と快適空間の演出を取り入れるとともに、大型のトップライトルーフや6分割式サンシェードといった提案性に富むアイテムを盛り込む。また、インテリアカラーにはナチュラルアイボリー/ポップオレンジ/シックグレー/クールブラックを、フローリングカラーにはナチュラル/ブラウンをラインアップした。

 エクステリアについては、軽快かつ躍動感のあるスタイリングの創出を目指す。基本フォルムはアッパーボディを後方に向けて絞り込んだ空気抵抗の少ない流線形に、ロアボディを下回りの風を整流する目的でスクエア形状にまとめ、その境界をダイナミックなキャラクターラインで明確に分けることで個性的なルックスを実現。各部の造形にも工夫を凝らし、乗用車らしい立体的な面構成で仕立てたフロント部、室内空間の豊かさと走りのよさが感じられるようにアレンジしたサイド部、スクエアな形状と低重心なワイドスタンスで存在感を強調したリア部で構成した。

キャッチフレーズは“HOP! STEP WGN”

 新型の搭載エンジンは、従来のVTECに加えて吸気バルブの位相をエンジン負荷に応じて連続的に電子制御するVTCを組み込んだK20A型1998cc直4DOHC16V(155ps/19.2kg・m)とK24A型2354cc直4DOHC16V(162ps/22.2kg・m)という2機種のDOHC i-VTECエンジンを設定する。組み合わせるミッションはK20A型に電子制御式4速ATを、K24A型に7スピードモード付CVT(FF)と電子制御式5速AT(4WD)を採用。全タイプに低燃費走行を選択できるECONモードを導入した。

 また、車速/車間制御機能のIHCCやHDDインターナビシステム+プログレッシブコマンダー、車両挙動安定化制御システムのVSA、追突軽減ブレーキのCMSといった先進機構も積極的に盛り込む。シャシーおよびボディについてはリアサスペンションに新設計のH型トーションビームを採用したほか、低重心化や前後オーバーハングの短縮、取り付け点剛性の強化などを実施し、高い操縦安定性と快適な乗り心地を達成した。

 第3世代のステップワゴンは、“HOP! STEP WGN”のキャッチを冠して2005年5月に市場デビューを果たす。グレード展開はK20A型エンジンを採用するB/G/G・Lパッケージ/G・Sパッケージ/G・LSパッケージ/G・サイドリフトアップシートとK24A型エンジンを積む24Zを用意。全グレードでFFと新リアルタイム4WDの選択を可能としていた。

 3代目ステップワゴンは発売から1カ月で月間販売計画の2.5倍となる約2万台の受注を記録するなど、好調なセールスを記録していく。メーカー側もこの人気に応えるよう、毎年のように魅力的なマイナーチェンジや車種追加を実施。2006年5月にはベーシックなBを除いた全タイプにパワースライドドアの標準装備化を、2007年11月にはエアロフォルムを纏ったスパーダを追加した。

国内累計販売台数100万台を記念した特別仕様車

 1996年5月に初代モデルが発売されたステップワゴンは、2008年7月に国内累計販売台数100万台を達成した。この快挙を記念して、ホンダは2008年8月に「スマートスタイル エディション」「HDDナビ スマートスタイル エディション」と称する2台の特別仕様車をリリースする。ベース車となったのはステップワゴンG(FF/4WD)とステップワゴン・スパーダS(FF/4WD)。

 ステップワゴンGには両側パワースライドドアとスマートキーシステム、メタル調パネル、Lパッケージ(ディスチャージヘッドライト/ドアミラーウィンカー/セキュリティアラーム等)を、ステップワゴン・スパーダSには両側パワースライドドアとスマートキーシステム、本革巻きATセレクトレバー、Zパッケージ(本革巻きステアリング/ドアミラーウィンカー/セキュリティアラーム等)を装備し、HDDナビ仕様では前記のアイテムに加えてHDDインターナビシステム(リアカメラ付き)を組み込んだ。ボディカラーにはブルーイッシュホワイトパール/プレミアムナイトブルーパールという特別仕様車専用色を設定する。車両価格は229万9500円〜291万9000円と、装備内容に比してお買い得感のあるプライスタグを掲げていた。