館長日記04 SUBARUフォレスター・スポーツ 【2021】

走り好きに最適。レヴォーグの心臓を積んだ快速SUV

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名車文化研究所の館長は、もちろん無類のクルマ好き。
得意なのは「ちょっと古いクルマ」だけではありません。最新モデルも興味シンシン。現在でも自動車専門誌「CAR and DRIVER」の編集委員としてバリバリ取材をこなしています。
その日常を「館長日記」としてご紹介します。今日は新エンジンを搭載したフォレスターです。
名車文化研究所・館長 横田宏近/写真 小久保昭彦
フォレスターにターボ復活。新型は1.8リッターです!

 今日も最近乗ったクルマの話題を書きます。またまたSUBARU(以下スバル)です。個人的にスバルがお気に入りということもあり、最近スバルに触れる機会が多かったのです。
 フォレスターがマイナーチェンジしました。どこが変わったのか簡単に説明すると、従来アドバンス専用だったマイルドハイブリッドのeボクサー(2ℓ・145ps+モーター13.6ps)が拡大採用され、新たに最上級グレードとして1.8ℓフラットフォー・ターボ(177ps/300Nm)を積むスポーツが誕生しました。装備面では、内蔵カメラがドライバーの顔を認識。あらかじめ設定されたポジションにシートやドアミラー角度、空調を調節するドライバーモニタリングシステムを全車に設定した点がポイントになります。試乗車は復活したターボ搭載車。スポーツです。

ドライバーの意思に忠実な加速。なかなかの力強さです

 対面したスポーツは精悍な印象でした。エクステリアはフロントグリル、リアゲート回り、18㌅アルミをダークカラーでコーディネート。マフラーエンドはシリーズ唯一の左右2本出し。SUVらしくタフなイメージのフォレスターに,スポーティな味わいが加わっていました。正直に言うと、フォレスターは各部がごてごてしていて不細工だと思っていました。でもこのスポーツは許せるレベル。自分のクルマとして乗ってもいいかなと思いました。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4625×1815×1730(ルーフレール装着車)mm。ワールドカーらしく大柄ですが、日本の道路環境でも持て余す心配はありません。最小回転半径は5.4m。絶好の視界もあり、取り回し性はなかなか良好です。

 走りは上質な印象でした。1.8ℓターボはチューニングを含めレヴォーグと共通。低回転域から豊かなトルクを発生し、吹き上がりはスムーズ。気持ちのいいパフォーマンスを披露します。とくにスポーティという印象はありませんが、これぐらいの速さが館長にはちょうどいいです。高速道路で流れをリードするのは容易ですし、つねにドライバーの意思に忠実な加速を披露します。
 トランスミッションは7速マニュアルモード付きCVT。走行モード切り替えはノーマルとスポーツの2種。ノーマルでも不満はありませんが、スポーツを選択すると走りはよりアップテンポに変化します。スポーツのほうが断然、楽しいです。

ハンドリングは引き締まった印象。どこまでも走れそうです

 フットワークの完成度は高いものでした。スポーツは専用開発ダンパーとコイルスプリングを採用。オンロードでの操縦性をリファインしています。もともとフォレスターのハンドリングは水準以上でしたが、スポーツはさらに上を行きます。ステアリングは引き締まった印象で、ハンドリングは素直。ワインディングロードを楽しく走れました。

 ドライビングに没頭するシーンで好印象だったのは専用シートです。スポーツは本革とウルトラスエードのコンビ仕様を標準装備。しっかりとドライバーをサポートしてくれます。乗り心地も決して粗くありません。

 フォレスター・スポーツは持ち前のタフな走破性をそのままに、スポーティなエッセンスを加えたアクティブSUVでした。ACCをはじめとする安全装備の高い完成度と相まって、長距離クルーザーに適したクルマの代表といえるでしょう。走り好きにぴったりだと思います。
 WLTCモード燃費は13.6km/L。今回の試乗燃費は11kmLほどでした。燃料はレギュラー指定。燃費は決して悪くありませんが、今の時代、いいとも言えません。このターボをモーターと組み合わせたマイルドハイブリッド仕様にして、さらに全体の効率を高めてくれると、いいんですが……、今後の発展に期待です。