フォレスターCROSS SPORTS 【2002,2003,2004,2005,2006,2007】

オンロード性能を強化した都市型SUV

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都市型志向のフォレスターを企画

 “BEST of BOTH WORLD(ラフロードでの十分な走破性とオンロードでの優れた走行性能を最高レベルであわせ持つ)”を追求した新世代のSUVとして、2002年2月に市場デビューを果たした第2世代のスバル・フォレスター。発売からわずか2週間で月販目標の3000台超を記録し、たちまち小型SUVクラスの中心モデルとして注目される。一方で開発現場では2代目フォレスターをベースとする新たなモデルを鋭意計画する。目指したのは、タウンユースに求められる商品力をさらに高めた都会派クロスオーバーSUVの創出。具体的には、都市部での機能を重視したディメンションとオンロード走行を踏まえたシャシーセッティング、そして都会の風景にマッチするスタイリングやスポーティな内装の演出などだった。

「CROSS SPORTS」のサブネームをつけて市場デビュー

 2代目フォレスターのデビューから8カ月ほどが経過した2002年10月、都市型志向のフォレスターが「CROSS SPORTS(クロススポーツ)」のサブネームをつけて市場に放たれる。キャッチコピーは“第二幕 はじまる”。フォレスターが躍動する新しい舞台の幕が開けたことを、ストレートにアピールしていた。

 CROSS SPORTSのシャシーについては、既存の4輪ストラット式サスペンションをベースに専用ローダウンサスペンションを組み込んで最低地上高を30mm下げる(170mm)とともに、リアスタビライザーを強化するなどしてロール剛性を向上。また、フロントサスペンションには横剛性に優れる倒立式ストラットをセットすると同時にメンバー取り付け部を強化して操縦安定性の引き上げを図った。加えて、バネ下重量の低減を狙ってアルミ製のラテラルリンクを採用。シューズには専用デザインのアルミホイールと215/55R16サイズのブリヂストンREGNO GR-03タイヤを標準で、BBS製アルミホイールと225/45ZR17サイズのブリヂストンPOTENZA RE-011タイヤをオプションで装備する。さらに、サスペンションおよびタイヤの変更に合わせて、ステアリングギア比を既存の19.0〜15.0:1の可変タイプから16.5:1の固定タイプに変更してステアリングの応答性を高めた。

 搭載エンジンにはEJ20型1994cc水平対向4気筒DOHC16Vターボ(220ps/31.5kg・m)を採用する。組み合わせるトランスミッションには5MTとスポーツシフトE-4ATを用意し、ATには低燃費走行を支援するInfo-ECOモードを導入。駆動システムは5MTにビスカスLSD付センターデフ方式4WDを、4ATにVTD-4WD(不等&可変トルク配分電子制御4WD)をセットした。

走りの良さを予感させたスタイリング

 エクステリアについては、前後バンパーおよびサイドガーニッシュを滑らかな造形に仕立てるとともにサイドシル下端部のボリュームを増やすことで路面との一体感を強調。また、ボディ同色の外枠を持つメッシュタイプのフロントグリルやフロントバンパー埋め込みタイプのマルチリフレクターフォグランプ、シルバーメタリック色のヘッドライトエスカッション部、ブラック塗装のCピラーカバー、ボディ同色化したリアガーニッシュ、雨天走行時の鏡面汚れの低減を果たした新デザインのドアミラー、高さを抑えた専用のアルミ製ルーフレールなどを採用し、洗練されたスポーティ感を演出する。ボディ高は一般的な立体駐車場に入庫可能な1550mmを実現した。

インテリアでは、シルバー調のニット素材とパンチングを施したスウェード調の皮革素材のアマレッタTMを組み合わせた専用シート表地やMOMO製本革巻きステアリング(AT車はシフトボタン付き)などを装備して新しいスポーツイメージを表現したことがトピックとなる。また、ホーンには高級感のある音質の渦巻式ダブルタイプを採用した。
 2003年7月になると、自然吸気のEJ20型1994cc水平対向4気筒OHC16Vエンジン(137ps/19.0kg・m)を採用したCROSS SPORTS 2.0iがラインアップに加わる。また、既存のターボ車は後にCROSS SPORTS 2.0Tへと改称された。

商品力を強化して再デビュー

 2005年1月にはフォレスターの大がかりなマイナーチェンジが実施され、ここでCROSS SPORTSはカタログから外れることとなる。しかし、同年6月になると復活。シャシー面では正立式ストラットの採用やバネ定数およびダンパー減衰力の特性変更、リアクロスメンバーの強化、リアスタビライザーの最適化などによってハンドリングと走行安定性を向上させ、同時に内外装にも小変更を加えて新鮮味をアップさせた。

 2006年2月になると、特別仕様車の「S-EDITION」を発売。2007年1月には、2.0Tグレードにアルカンタラ&ジャージの専用シート表地やソフトフィールブラック塗装のセンターパネル、アルミパッド付スポーツペダル、HIDロービームランプなどを装備した「2.0T SPORT」を設定する。そして2007年8月には、2.0iグレードをベースにアルカンタラ&ジャージのシート表地やHIDロービームランプなどを組み込んだ特別仕様車の「2.0i ALCANTARA-Style」をリリースした。
 2007年12月になるとフォレスターのフルモデルチェンジが行われ、より海外市場を意識してボディを大型化した第3世代のSH型系に移行する。これに伴いCROSS SPORTSのラインアップは終了。フォレスター・シリーズの都市型志向モデルは、1代限りで姿を消したのである。