キャミ 【1999,2000,2001,2002,2003,2004,2005,2006】

女性ユーザーを狙った本格派コンパクトSUV



華やかなカラーリングで個性を主張したキャミ

 キャミはアクティブなライフスタイルをサポートする都会派SUVとして、1999年5月にデビューした。とはいえブランニューモデルではない。すでに1997年4月に登場していたダイハツ・テリオスのOEM供給車だった。キャミとテリオスの違いはエンブレム程度。キャミは全車ABSを標準装備していたが、事実上の同一モデルだった。キャミは女性ユーザーをメインターゲットに据えたこともあり、ストーリアにはないピュアレッドやマリンブルーといった華やかなカラーリングが選べた。キャミ(Cami)という車名はカジュアル(Casual)とミニ(Mini)を組み合わせた造語という。

本質は道なき道に踏み込める実力派

 キャミはテリオスから継承した、コンパクトながら本格四駆の実力、という美点の持ち主だった。ボディのスリーサイズは全長3785mm×全幅1555mm×全高1760mmと手頃で最小回転半径は僅か4.7m。通常のコンパクトカーと同様の気軽さで乗り回せる絶妙なサイズ設定だった。さらに高い着座位置による広々とした視界がドライブをさらに楽しいものにした。

 メカニズムは本格的。エンジン横置きのFFレイアウトをベースにした簡易型の4WDシステムではなく、前後重量配分に優れたエンジン縦置きFRレイアウトを基本にしたセンターデフ付きフルタイム4WDだった。ボディの内側には頑丈なビルトイン式フレームを備え、最低地上高は195mmを確保する。その走破力は道なき道にも自信を持って踏み込めるほどのレベルに達していた。

 しかしキャミは、その圧倒的な走破力を声高に主張することはなく、もっぱら走りの余裕として捉えていた。冬季に雪が降る地域でも安心して走れる手頃なユーティリティカーという位置づけでユーザーにアピールしたのである。 “能ある鷹は爪を隠す”の好例だった。

スタイリッシュなエアロバージョンも設定

 エンジンは排気量1295ccのHC-CJ型・直列4気筒OHC16V(92ps/11kg・m)で、トランスミッションは4速ATと5速MTの2種から選べたが、主力は4速ATだった。ステアリング形式はシャープな切れ味のラック&ピニオン式で、足回りはフロントがストラット式、リアが5リンク式を採用していた。グレード構成は、充実装備のQとシンプルなPの2グレード。アルミホイールやボディ同色ミラー、LEDハイマウントブレーキ付きリアスポイラーを標準装備したQには、大型エアダムなどでドレスアップしたエアロバージョンも設定する。

 室内はテリオスと共通デザイン。前後シートのフルフラット機構、後席分割可倒機構などユーティリティに優れた仕上がりで、全車タコメーター、キーレスエントリー、ラゲッジアンダートランク、デュアルSRSエアバッグ、エアコンを標準で装備していた。
 しかもステアリングホイール、ワイパー&ライトレバー、シフトノブ、アシストグリップなどには、つねに清潔で気持ちのいいドライブが楽しめるよう抗菌素材を採用。さまざまな快適装備だけでなくユーザーの立場にたった気配りを満載する。

可愛いふりして実はタフ!本格メカ標準装備

 タフな4WDとしての機能も充実していた。センターデフ付き4WDシステムには、泥濘地や豪雪時に威力を発揮するデフロック機構を搭載。アプローチアングル44度、デパーチャーアングル37度、ランプブレークオーバーアングル29度と走破性も圧倒的だった。LSDもオプションで設定するなど、まさに本格派。可愛いルックスと卓越のオフロード性能が融合した存在だったのである。

 キャミは、コンパクトサイズに高い機能を凝縮した個性派だった。悪天候時にもしっかりとした走りを約束するフルタイム4WDということもあり、信頼性の高い新種のシティビークルとして独自のポジションを確立する。メインターゲットは前述の通りアクティブな女性だったが、オフロード好きの男性ユーザーからも支持された。しっかりとした芯の通った道具は、使い手を選ばない。キャミはその好例だった。