サニー 【1998,1999,2000,2001,2002,2003,2004】

新開発プラットフォームを得た最後の9代目



世界基準を標榜した9代目

 100万通を超える応募を集めた一般公募によって決定した車名「サニー」を持つ初代のモデルがデビューしたのが1966年4月。以来サニーは、日産のエントリーモデルであり、カローラと並ぶ世界のベストセラーカーの1台として時代の流れに即した発展と変化を遂げる。

 サニーの9代目がデビューしたのは1998年10月で、国際化を推し進める日産の中にあって「新・世界基準のセダン、サニー」をメインテーマとして開発されていた。時代の要求であった安全性や省エネルギーを高いレベルで実現するために、シャシー・プラットフォームから全てを新型としていた。日本国内向け、海外市場向けにそれぞれ異なるボディーを用意したことも特徴だった。

スタイリングは純オーソドックス

 新開発のプラットフォームはホイールベース2335mmで旧型と同一だが、ボディサイズは全長4345mmで+50mm、全幅1695mmで+5mm、全高は1415mmで+30mmとなっていた。数値的に見れば僅かな拡大だが、見た目には一回り大きくなった感じだ。サニーをベースとしたワゴンなどは独立した車種となっていたため、ラインアップは4ドアセダンのみとなった。

 スタイルはきわめてオーソドックスな造形で、実用性は高いが個性的ではない。ユーザーターゲットとして想定した40歳〜50歳台の大人向けとしては、最も的を射たデザインとなっている。インテリアも同様で、当時の平均としてもむしろ地味なものだが、実用的なセダンとしては合理的と言える。モデルバリエーションは前2輪駆動とフルオート・フルタイム4輪駆動システムを備えた2種のシリーズから選べた。

エンジンは4種。充実の安全装備が自慢

 フロントに横置きされるエンジンは4種があり、全て直列4気筒DOHC。排気量は1295ccから1769ccまでがあり、環境対応など数種のチューニングが施された。ディーゼルエンジン仕様は発表の時点では設定されていなかった(ディーゼルエンジンの設定は1999年9月)。パワーは1.3リッター仕様の87ps/6000rpmから、VVL機構を組み込んだ1.6リッター仕様の175ps/7800rpmまでがあった。トランスミッションは5速マニュアルと4速オートマチック、そして1.8リッター仕様にCVT無段変速機が設定されていた。

 サスペンションは旧型と同じ前・ストラット/コイルスプリング、後・マルチリンクビーム/コイルスプリングの組み合わせ(4輪駆動モデルのリアはパラレルリンクストラット)。ブレーキは前・ベンチレーテッドディスク、後ろはリーディングトレーリングを基本に一部グレードではディスクを採用していた。ABS、EBD(電子制御制動力配分システム)、フォース・リミッター付きシートベルト、むちうち症防止のためのアクティブ・ヘッドレスト、前席左右エアバッグなどはほぼ全車に標準装備とされ、SRSサイドエアバッグは車種によりオプション設定となっていた。

役目の終焉。サニー最終モデルとなった9代目

 9代目は、日産の主力車種だけに地球環境を考えた取り組みに積極的だった。オゾン層保護のためエアコンに新冷媒(HFC134a)を採用するとともに、リサイクル率を90%(重量比)に高め、ダッシュインシュレーター(吸音材)やフロアカーペットにペットボトルなどのリサイクル材を使用していた。鉛の削減にも積極的で、ラジエターとヒーターコアから鉛を全廃。燃料タンクも鉛メッキを必要としない樹脂製だった。さらに排出ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を当時の規制値の10分の1に押さえたLEV(Low Emission Vehicle)仕様をQG15DE型エンジンに設定。サニーはオーソドックスなスタイリングの内側に先進エコ技術を満載したクルマだった。

 価格は1.3リッター・エンジンを搭載したFEグレードで102万6000円からとされ、内容を考えるとお買い得だった。取扱販売店はサニー店となっていた。
 カローラと激烈な販売合戦を演じて、小型セダンの代名詞的存在であったサニーだったが、登場から30年以上が経過したことで、その役目も終わろうとしていた。9代目はサニーの最終モデルとなり、後継は2004年秋に登場した日産ティーダ/ティーダ・ラティオが担った。