ストラーダ 【1997,1998,1999】

高い走破性を誇ると4WDピックアップ

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オールマイティな4WDピックアップ

 その名もイタリア語で道路を意味するストラーダ(Strada)と名付けられた初代の三菱製ピックアップトラックが売り出されたのは、1991年5月だった。
 それまでも、三菱製ボンネット型ピックアップトラックのモデルレンジには、1978年9月に発売されたフォルテがあった。ストラーダは後継モデルとして、5人乗車が可能なダブルキャブ仕様の大型4輪駆動ボンネット型ピックアップトラックに装いを一新してデビューさせたもの。アメリカや中東、アジア地域では、マイティマックス ダブルキャブ(L200)として販売されていた。

 一台であらゆる用途に使えるダブルキャブというスタイルは、特に発展途上にある国々では大いに重宝される。さらに、4輪駆動システムでも搭載されていれば、鬼に金棒である。こうした背景を踏まえ、三菱が国内向けではなく、東南アジアや中近東、アフリカなどの地域向けに、大型のボンネット型ピックアップトラックを展開したのは、的を射たものだった。

全長4.9mオーバー。海外工場で生産

 ストラーダは1997年6月にフルモデルチェンジされて第2世代となった。
 三菱自動車の海外拠点のひとつであるタイにあるラムチャバン工場で生産されたものを、日本国内向けに細部を変更して販売した。アメリカやオーストラリア製のモデルを逆輸入していた手法と同じやり方であった。
基本的なシャシーコンポーネンツは初代と同じもので、ホイールベース2960㎜、全長4920㎜、全幅1775㎜、全高1800㎜の伸びやかなサイズであった。オーソドックスなセパレートフレーム構造のボンネット型、4ドアダブルキャブの室内は5人の乗員が余裕を持って乗ることができた。

後部は1500㎜×1470㎜の広さを持つオープン荷台となっており、最大積載量は500㎏。海外市場では荷台用樹脂製ハードトップなどもオプションパーツで用意されていた。
 外観のハードなイメージに比べて、インテリアは乗用車的にソフトなデザインが採り入れられており、それも大きな人気の要素であった。

悪路の走破性を重視したメカニズム

 駆動方式はフロント縦置きエンジンによる4輪駆動。オフロード性能が高く、信頼性や耐久性にも優れるイージーセレクトと呼ばれる、走行中にも2輪駆動と4輪駆動の切り替えが可能なパートタイム4輪駆動システムとなっていた。

 搭載されるエンジンはディーゼル仕様1種のみで、排気量2476㏄の直列4気筒SOHCにインタークーラー付きターボチャージャーを装備する(4D56型、出力105ps/4200rpm)。トランスミッションは5速マニュアルと4速オートマチックから選べた。

 サスペンションは前がダブルウィッシュボーン/縦置きトーションバースプリング、後ろはリジッドアクスル/リーフスプリングの組み合わせで悪路の走行や過荷重に対して耐久性と信頼性を最優先としたもの。
 ブレーキは前が2ポッドタイプのベンチレーテッドディスク、後がドラムでサーボ機構を備える。ABS(アンチ ブロッキング-ブレーキ システム)とLSD(リミテッド スリップ デファレンシャル)は標準装備となっていた。

デビュー翌年の改良で内外観をリフレッシュ

 登場から1年3カ月後の1998年9月、ストラーダは一部改良を受ける。エクステリアでは、ヘッドランプとフロントグリルのデザインを変更。新デザインのフロントマスクによってエクステリアのリフレッシュを図った。2タイプのツートンカラーも変更され、ティンバーグリーン/ハミルトンシルバー、ネアーズブルー/ハミルトンシルバーとなった。

インテリアでは、ステアリングホイールのデザインと、シート生地を変更。また、助手席エアバッグを追加し、安全性アップを図った。メカニズム面では、2.5リッターディーゼルターボエンジンの吸気音を低減して静粛性アップを図るなど、快適性に磨きをかけた。

 ストラーダは1999年いっぱいで日本での販売を終了。7年後の2006年9月から、同じくタイで製造の後継モデルであるトライトンの日本市場での販売が開始された。根強い人気を持つモデルである。