日本カー・オブ・ザ・イヤーの歴史11 【2009,2010,2011】

時代をリードするハイブリッドカーの受賞



評価された3代目プリウスの積極姿勢

 地球環境に優しいクルマ作りの面で、日本は世界をリードしている。その事実を再確認させたのが2009-2010年の日本カーオブザイヤーだった。イヤーカーは「トヨタ・プリウス」。世界初の量産ハイブリッドカーとして1997年に登場したプリウスの3代目である。ちなみにプリウスは初代、2代目もイヤーカーに輝いており、3回目のイヤーカー受賞となった。

 3代目プリウスの受賞理由は「ハイブリッドというカテゴリーを生み、発展させた結果、時代のニーズに対応している。また手の届く価格で他の追従を許さない緻密な制御システムを設計。環境問題に新たな技術で挑戦し、大きな成果を上げた」だった。単にキープコンセプトのモデルチェンジではなく、新たな技術を積極的に盛り込むことで、素晴らしい環境性能を実現したことが受賞の要因だった。

 3代目プリウスは、圧倒的な環境性能と、走る楽しさの融合のため、全体の90%以上を新開発した「リダクション機能付きTHS-IIハイブリッド・システム」を搭載。世界トップの燃費性能=38.0km/L(10・15モード)と2.4リッター車と同等のパフォーマンスを実現していた。標準の走行モードに加え、走行シーンに応じて選べる3つのドライブモードの設定や、ソーラーベンチレーション機構など、革新的な装備&機能も数多く導入し、優れた環境性能だけと同時に、使う楽しさを盛り込んだのも特徴だった。

日本のクルマ作りを象徴するクルマが特別賞を受賞

 プリウスはスタイリングに先進の空力設計を盛り込み、Cd値は世界トップ級の0.25をマーク。歴代プリウスの象徴である、ルーフを頂点にした“トライアングルシルエット”を洗練させながら、ブランドとしてのアイデンティティを明確にした。プリウスはカローラに替わる日本のベストセラーであるばかりでなく、トヨタ、ひいては日本のクルマ作りを象徴する存在。イヤーカーの受賞は、いわば当然と言えた。

 特別賞は、こちらも日本の優れた環境技術を象徴する「三菱I-MiEV」と、伝統的な走りの楽しさを追求した「日産フェアレディZ」、そして熟成の水平対向エンジン+4WDシステムを持つ「スバル・レガシィ」が受賞した。ちなみにベストインポートカーオブザイヤーは「VWゴルフ」だった。

走りの楽しさが高評価に繋がったCR-Z

 2010-2011年になると、環境技術とともに、クルマ本来の楽しさに注目が集まった。イヤーカーは「ホンダCR-Z」である。受賞理由は「ハイブリッド技術による燃費の良さと走りの楽しさを、高い次元で両立できることを証明し、いち早く量産モデルにしたこと。個性的で美しいデザインも乗り手の心を惹き付ける」だった。CR-Zは、クルマに“ワクワク感”を盛り込むのに長けたホンダらしい作品だった。

 メカニズムはプリウスとともにハイブリッドカー専用車として高い評価を集めるインサイト用をリファイン。1.5リットルの高出力VTECエンジンと、ホンダ独自のシンプルなハイブリッド技術であるIMAシステムの組み合わせで、スポーティなパフォーマンスを実現する。トランスミッションにCVT仕様だけでなく、6速MT仕様をラインアップしたのも話題だった。肝心の燃費性能は25km/L(10・15モード)。絶対的な数値はプリウスの後塵を拝していたが、スポーツクーペとして見ると世界トップの燃費性能であることは間違いなかった。

 スタイリングは、かつての名車CR-Xを彷彿とさせる造型。リアに後方視界を補助するエクストラウィンドーを設けていたのもCR-Xと同様だった。実際の走りも俊敏で、CR-Zは時代を先取りした環境性能と、純粋なドライビングの楽しみが両立することを実証した。まさにホンダらしさ溢れる1台と言えた。

 インポートカーオブザイヤーは、高品質なコンパクトカー「VWポロ」が受賞。特別賞にはアグレッシブなスポーツカーフォルムが評価を集め「プジョーRCZ」が輝いた。10ベストカーとして「スズキ・スイフト」や「日産マーチ」なども選出されていたが、残念ながら特別賞の受賞はなかった。2010-2011年は、強い個性が受賞各車求められた年だった。