フォレスター 【2002,2003,2004,2005,2006,2007】

プレミアム性が向上した2代目クロスオーバーSUV

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クロスオーバーSUVのポテンシャルアップを企画

 21世紀に入ってからの富士重工業は、独自の存在感を放つスバル・ブランドの構築を目指していた。その一環として実施したのが、登録車系の第3の柱に位置するフォレスターの全面刷新だ。
 2代目となるフォレスターの開発コンセプトに、「BEST of BOTH」(ラフロードでの十分な走破性とオンロードでの優れた走行性能を最高レベルであわせ持つ)を掲げる。重点ポイントは、①動的な基本性能“走る・曲がる・止まる”のさらなる向上②世界トップクラスの総合安全性能③使いやすさと快適性の追求④優れたポテンシャルを余すところなく表現する力強く洗練されたデザイン、という4項目の実現を目指した。

2代目は力強さと躍動感を表現

 パッケージングについては、あらゆるフィールドでの走行性能を高める目的で200mmの最低地上高を確保するとともに、運転のしやすさと乗降性の向上を狙ってヒップポイントを地上から600mmの位置に設定。同時に、ボディ前端の見切りを高めたボンネット形状や有効な視界を確保したウィンドウおよびピラー形状を採用する。また、最小回転半径を従来型比で−0.1mの5.3mとしたうえで、ボディ長を同10mm短縮して取り回し性を向上させた。ボディ自体は剛性のアップに加えて、軽量化や衝突安全性の強化を実施する。

 スタイリングは、張りのある面構成で力強さと躍動感を表現。さらに、立体的なフロントグリルや厚みのあるバンパー、ホイールアーチのキャラクターライン、アルミ製のダイレクトタイプルーフレールなどで個性を際立たせた。内装に関しては、各部の入念な作り込みによって機能性と開放感を追求するとともに、実用的でスポーティな空間を演出する。また、後席に6対4分割可倒機構(全倒時はフルフラットカーゴに変身)、カーゴルームにフロアマルチボックスなどを配し、多様な使い勝手を実現した。

キャッチコピーは“DIFFERENT CHALLENGE. DIFFERENT CAR.”

 搭載エンジンはEJ20型1994cc水平対向4気筒の自然吸気OHC16V(137ps)と新開発の過給器を組み込んだDOHC16Vターボ(220ps)の2機種を設定する。トランスミッションには5速MTと4速ATを用意。また、ターボAT車には電子制御スロットルやInfo-ECOモードを組み込んだ新開発のE-4ATを、ターボMT車には球面形状スロットルチャンバーをセットした。駆動機構はフルタイム4WDを採用。懸架機構には“クロスオーバーサスペンション”と称する専用セッティングの4輪ストラット式サスペンションを導入し、ターボ車にはアルミ鍛造製フロントロアアームを装着した。
 第2世代となるフォレスターは、SGの型式をつけて2002年2月に市場デビューを果たす。キャッチコピーはスバル流クロスオーバーSUVの独自性を強調した“DIFFERENT CHALLENGE. DIFFERENT CAR.”。車種展開は2Lターボ車のXTと2L・NA車のX20/Xという3グレードで構成した。

緻密な改良によってSUVとしての魅力度を向上

 発売からわずか2週間で月販目標の3000台に達した2代目フォレスターは、たちまち小型SUVクラスの中心モデルに据えられる。その人気を維持しようと、開発陣は積極的に車種設定の拡充を実施していった。
 2002年10月には、専用のローダウンサスペンションやルーフレール(全高を立体駐車場への入庫可能な1550mmに抑制)、フロント倒立式ストラット、オンロード向けタイヤなどを組み込んだタウンユース志向の「CROSS SPORTS」を追加。2003年2月には一部改良を行い、同時にスポーツレジャーシーンでの使い勝手を引き上げた「X BACKPACK EDITION」をラインアップする。2003年7月にはNAエンジン仕様の「CROSS SPORTS 2.0i」をリリースした。

 2004年2月になると、一部改良を実施すると同時に、EJ25型2457cc水平対向4気筒DOHC16Vインタークーラーターボエンジン(265ps)を搭載した「STi Version」と専用レザーシートおよびハードタイプ荷室マット等を装備した「L.L.Bean EDITION」を設定する。さらに特別仕様車として、6月に充実装備の「CROSS SPORTS α」を、7月にWRC(世界ラリー選手権)ラリー・ジャパン開催を記念したXT「WR-Limited 2004」を、8月にアウトドアでの使い勝手を高めた「X20タフパッケージ」を発売した。