オプティ 【1992,1993,1994,1995,1996,1997,1998】

独自の美意識で仕上げたパーソナルミニ

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CMキャラクターに宮沢りえを起用!

 1992年1月に誕生したオプティは、スペシャルティクーペとして独自のポジションを確立したリーザの後継となるパーソナルモデルである。当時ダイハツ軽自動車の主力だったミラとメカニズム面はオーバーラップするが、スタイリングをはじめ各部は完全なオリジナル。充実した装備により快適性もハイレベルに仕上げられていた。

 オプティの個性は、ラウンディッシュなスタイリングにあった。大きな楕円形状のヘッドランプを起点とするフォルムは、どこにもシャープなエッジが存在しない滑らかで優しい造形。張りを持たせたフェンダーラインや、曲線形状のルーフは、太陽の光や木々の映り込みまで計算したデリケートな面で構成されていた。

 スタイリングは直線基調で機能最優先だったミラとはすべてが正反対。パーソナルカーらしいお洒落な雰囲気を全身から発散した。ちなみにオプティのメインターゲットは女性で、CMキャラクターにはタレント&女優の宮沢りえを起用。カタログにも「超ラブリー。りえのオプティ誕生。」というキャッチコピーとともに登場させていた。

質感にまで気を配った内外装が魅力

 ボディサイズは当時の軽自動車規格にマッチさせた全長3295mm×全幅1395mm×全高1395mmでホイールベースは2280mm。事実上ミラと同一のサイズだったが、ラウンディッシュなためミラより一回りコンパクトな印象を受けた。

 インテリアは、前席中心のパッケージングを採用する。後席の居住性もけっして悪くはなかったが、たっぷりとしたサイズのシートを備えた前席のほうが居心地はよかった。ヘリンボーン風の上質なファブリックをシートだけでなく、ドアトリムにも贅沢に使用していたのも特徴で、デザインがお洒落なだけでなく質感という面でも入念に仕上げられていた。

 全車に防臭処理済みエアコン、電動パワーステアリング、ステレオオーディオ、シートアンダートレイ、パワーウィンドーを備え快適性への配慮も万全と言えた。オプションで電動キャンバストップ仕様が設定され、オープンエアクルーズも楽しめた。

走りは日常性と静かさを追求

 パワーユニットは排気量659ccの直列3気筒OHC12Vの1種で、電子制御燃料噴射装置との組み合わせで55ps/7000rpm、5.8kg・m/4000rpmのスペックを誇った。パワフルなターボ仕様の設定はなかったものの、日常的な使用には充分なパフォーマンスの持ち主だった。

 実用燃費が21km/L(2WD・MT車)と優れていたのもセールスポイントだった。トランスミッションは5速マニュアルと3速&4速オートマチックが設定され、主力はオートマチック。2WD仕様が4速、4WD仕様は3速タイプのオートマチックを組み合わせていた。

 オプティのこだわりは静粛性への取り組みで、振動や騒音をボディに伝達しないフルフローティング式エンジンマウントを採用。エンジンのヘッドカバーは2重鋼板仕様としていた。室内に張り巡らされたカーペットも遮音性に優れた高級タイプである。

高級サルーンのセカンドカーとして愛される

 オプティは、上質な軽自動車を求めていたユーザーに好感を持って受け入れられる。メーカーでは女性をメインユーザーに据えていたが、実際には男性ユーザーも多かった。クラウンやマークIIなど上級サルーンを持つユーザーのセカンドカーとして使われるケースも目立ったという。

 好評を背景に1993年8月には、使い勝手に優れた5ドアモデルも登場、その後もバリエーションを充実させながら1998年11月に2代目にバトンタッチするまで好調な販売をキープした。便利な足という実質機能にプラスして上質さと快適性、そしてお洒落感覚をプラスしたオプティは、軽自動車に様々な可能性があることを教えてくれた素敵な存在だった。